東京都は、区と市で多量ごみの扱いが大きく違います
遺品整理で出る家財は、家庭のごみ(一般廃棄物)です。これを業者が運ぶには、仕事をする区域の区長・市町村長の許可が必要です(廃棄物処理法第7条)。23区では許可の申請窓口を東京二十三区清掃協議会がまとめていますが、たとえば練馬区内の仕事に必要なのは練馬区長の許可です。
そのうえで、一度に多く出る家庭ごみの扱いは、区と市でかなり違います。
- 23区の例:世田谷区は、1回に出せるのは45L袋で3袋までで、引越しなどで一度に4袋以上出す場合は有料になるとして、管轄の清掃事務所への問い合わせを案内しています。練馬区も、1回に出せるのは45L袋3袋までで、超える分は有料のため清掃事務所に相談するよう案内しています。
- 八王子市:遺品整理などで一時的に多く(おおむねトラック1台分以上)、急いで処理が必要なごみは「臨時ごみ」の制度を使います。許可業者に頼む前に、ごみ総合相談センター(042-696-5353)に申し込んで市職員の現地調査(約30分)を受けます。急ぎの処理が必要と判断されると受付コードが出され、そのコードを伝えて許可業者と契約します。量が少ない場合は、通常の収集や持ち込みで処理します。
- 町田市:引越しや遺品整理で多く出たごみは、市が許可した業者に整理・分別・収集までまとめて頼めます。ただし最初に市のごみ収集課への相談(事前受付)が必要で、市の受付より先に業者へ連絡しても依頼できません。
八王子市や町田市のように「業者より先に市へ連絡」が決まりになっているところもあります。遺品整理業者と契約する前に、実家がある区市町村のルールを確かめましょう。
主な区市の案内ページ
世田谷区は、「無料で回収」と宣伝して積み込んだ後に料金を請求する不用品回収業者に注意を呼びかけています。一方で、まだ使える物をリユース(再利用)目的で譲る場合は処理業の許可は要らないとして、リユースショップの利用も勧めています。
契約や料金で困ったら、東京都消費生活総合センターへ
- 東京都消費生活総合センター:電話 03-3235-1155。月〜土曜の9:00〜17:00に受け付けています(日曜・祝日・年末年始は休み)。予約は要りません。
- 来所相談:飯田橋セントラルプラザ16階(新宿区神楽河岸1-1)。予約なしで、受付時間内に直接行けます。
- 消費者ホットライン 188:局番なしの188でも、近くの消費生活相談窓口につながります。
業者に頼む前に、家族で済ませておくこと
国民生活センターには、遺品整理業者に頼んだら「処分しない予定の遺品が処分された」「高額な追加料金が発生した」という相談が寄せられています。業者が入る前に、通帳・印鑑・権利証・年金や保険の書類、現金や形見の品を家族で持ち出しましょう。作業中に見つかった物の渡し方は、見積書か契約書に書いてもらいます。保険証の返却などは、故人が住んでいた区市町村の役所で手続きします。
相続放棄の申述先は、東京家庭裁判所の本庁か立川支部
遺品を売ったり処分したりすると、相続を認めた(単純承認した)とみなされ、相続放棄ができなくなるおそれがあります(民法第921条)。放棄は、相続が始まったことを知った時から3か月以内に、故人の最後の住所地を受け持つ家庭裁判所に申述します(民法第915条)。
東京家庭裁判所の本庁・支部・出張所と受け持ち地域
| 裁判所 | 受け持ち地域 |
| 本庁 | 23区、三宅村、御蔵島村、小笠原村 |
| 立川支部 | 多摩地域の市町村(八王子市・町田市・府中市・調布市・西東京市など26市と、瑞穂町・日の出町・檜原村・奥多摩町) |
| 伊豆大島出張所 | 大島町、利島村、新島村、神津島村 |
| 八丈島出張所 | 八丈町、青ヶ島村 |
費用は、申述する人1人につき収入印紙800円分と連絡用の郵便切手です。
実家が空き家になる場合
- 東京都空き家ワンストップ相談窓口:0120-776-735(平日9:00〜18:00、無料)。空き家の相続・売却・賃貸・管理・住み替えなどの相談に応じ、現地調査や解決策の提案、費用の試算、協力事業者の紹介までしてくれます。都内の空き家の持ち主だけでなく、都外の空き家を持つ都民や、これから相続で持つことになりそうな人も相談できます。
- 家財整理の補助:この窓口を通じて都内の空き家の家財整理や解体をする場合、都の「空き家家財整理・解体促進事業補助金」の対象になることがあります。条件は窓口で確かめ、業者と契約する前に相談しましょう。
- 専門家団体:都は不動産・建築・法律などの専門家団体と協定を結び、空き家の相談窓口を設けています。たとえば、空き家の相続や財産管理は東京三弁護士会空き家相談窓口(03-3595-9100、平日10:00〜12:00・13:00〜16:00)、相続による登記は東京司法書士会(03-3353-2700、平日10:00〜15:45)が受け付けています。売買・賃貸、建物の調査、税金などの窓口も、東京都住宅政策本部の「専門家団体相談窓口」のページにまとめられています。
- 相続登記:2024年4月1日から、不動産の相続を知った日から3年以内の相続登記が義務になりました。2024年4月より前の相続は、2027年3月31日までに登記が必要です(法務省)。
費用の目安と、都内の業者
このページで紹介している業者のうち、東京都内に拠点がある業者には「地元密着業者」のマークが付いています。費用の目安は、このすぐ下の「東京都の遺品整理の費用とよくある質問」で、掲載業者の料金をもとに紹介しています。見積もりは2〜3社から取り、ごみの運搬をどの許可業者が行うか、区や市への事前の連絡が必要かも確かめて比べましょう。
ごみの出し方や役所の窓口など、もっと細かい情報は、下の「東京都の市区町村から探す」から、お住まいの区市町村のページも見てください。