業者の許可は、片付ける家がある市町ごとに確認します
遺品整理で出る家具や日用品は、家庭のごみ(一般廃棄物)です。このごみを運ぶ仕事には、仕事をする区域の市町長の許可が必要です(廃棄物処理法第7条)。広島市・福山市・東広島市などは、この許可を「固形状一般廃棄物収集運搬業」という名前で出しています。
- 呉市は、呉市以外の市町の許可、古物商の許可、産業廃棄物収集運搬業の許可では、呉市の家庭のごみは運べないと案内しています。
- 東広島市では、同じ市内でも区域ごとに許可業者が決まっていて、ほかの区域の業者には頼めません。
- 広島市は、許可のない業者が家庭ごみを運ぶと、5年以下の拘禁刑か1千万円以下の罰金(または両方)の対象になると注意しています。
県内の主な市の案内ページ
広島市の案内には、「値段のつかない物も無料で処分」と言われたのに、トラックに積んだ後で家からの運び出し費用として数万円を請求された、という例が載っています。見積もりは作業の前に書面でもらい、追加料金がかかる条件も確かめましょう。
チラシや広告の「許可・資格」の見分け方
広島市は、不用品回収業者や遺品整理業者のチラシ・ホームページによく出てくる表現について、次のように説明しています。どれも、家庭のごみを運べる許可の代わりにはなりません。
- 産業廃棄物収集運搬業許可:店や事務所から出る産業廃棄物を運ぶための許可です。家庭のごみは運べません。
- 古物商許可:中古品を売り買いするための許可です。ごみの運搬や処分はできません。使える家具などを買い取ってもらうときに必要な許可です。
- 遺品整理士:民間団体が認定する資格です。この資格でごみを運んだり処分したりはできません。
- 「一般廃棄物収集運搬業者と提携」:実際には提携がなく、作業に来た業者がそのまま無許可でごみを運ぶ例があると、市は注意しています。提携先の業者名を聞き、市町の許可業者一覧に載っているか確かめましょう。
契約や料金で困ったら、広島県消費生活センターへ
- 広島県消費生活センター:消費生活相談専用電話 082-223-6111。相談時間は9:00〜17:00で、土日祝日と年末年始は休みです。面談を希望する場合は、先に電話で確かめてから16時ごろまでに行きます。
- 市町の消費生活センター:広島市・呉市・福山市など、多くの市町にも相談窓口があります。受付日や時間は市町ごとに違うので、県の「県内の消費生活相談窓口一覧」で確認できます。
- 消費者ホットライン 188:局番なしの188で、近くの相談窓口を案内してもらえます。
業者に頼む前に、家族で済ませておくこと
国民生活センターには、処分しない予定の遺品を処分された、という相談も寄せられています。業者が入る前に、通帳・印鑑・権利証・保険や年金の書類、現金や形見の品を家族で探して持ち出しておきます。残す物は一つの部屋にまとめ、作業中に見つかった物の扱いを見積書に書いてもらいましょう。保険証の返却などの手続きは、故人が住んでいた市町の役所で行います。
相続放棄の申述先は、広島家庭裁判所の本庁か支部
遺品を売ったり処分したりすると、相続を認めた(単純承認した)とみなされ、相続放棄ができなくなるおそれがあります(民法第921条)。相続放棄は、相続が始まったことを知った時から3か月以内に、故人の最後の住所地を受け持つ家庭裁判所に申述します(民法第915条)。
広島家庭裁判所の本庁・支部と主な受け持ち地域
| 裁判所 | 主な受け持ち地域 |
| 本庁(広島市) | 広島市、廿日市市、大竹市、東広島市、安芸郡(府中町・海田町・熊野町・坂町)、山県郡(安芸太田町・北広島町)、三原市の旧大和町、安芸高田市の八千代支所の区域 |
| 呉支部 | 呉市、江田島市、竹原市、大崎上島町 |
| 尾道支部 | 尾道市、三原市(旧大和町を除く)、世羅町(せらにし支所の区域を除く) |
| 福山支部 | 福山市、府中市、神石高原町、三次市の甲奴支所の区域、庄原市の旧総領町 |
| 三次支部 | 三次市(甲奴支所の区域を除く)、庄原市(旧総領町を除く)、安芸高田市(八千代支所の区域を除く)、世羅町のせらにし支所の区域 |
費用は、申述する人1人につき収入印紙800円分と連絡用の郵便切手です。同じ市でも支所の区域で受け持ちが分かれるところがあるので、裁判所の管轄区域表で確かめてください。
実家が空き家になる場合
- 家財の処分に補助がある市町:県の「県内市町における空き家関係補助事業一覧」には、呉市・竹原市・三原市・尾道市・庄原市・東広島市・廿日市市・江田島市などの、空き家の家財道具の処分費用を補助する制度が載っています。多くは、市町の空き家バンクに登録することなどが条件です。補助を受けるのは基本的に空き家がある市町の制度なので、遠方に住む家族は注意しましょう。庄原市や江田島市のように、処分を頼む業者を市内の事業者に限る制度もあるので、業者と契約する前に条件を確かめましょう。
- 相談会:「ひろしま空き家の窓口」として、広島県宅地建物取引業協会(予約 082-243-9530)と全日本不動産協会広島県本部(予約 082-241-7696)が無料相談会を開いています。電話での相談や業者の紹介は行っていません。
- 空き家バンク:県は、県内の市町の空き家情報をまとめたひろしま空き家バンク「みんと。」を2017年に開設しています。
- 相続登記を忘れずに:2024年4月1日から、家や土地を相続したことを知った日から3年以内の相続登記が義務になりました(法務省)。それより前の相続も対象で、2027年3月31日までに登記が必要です。
費用の目安と、県内の業者
このページで紹介している業者のうち、広島県内に拠点がある業者には「地元密着業者」のマークが付いています。費用の目安は、このすぐ下の「広島県の遺品整理の費用とよくある質問」で、掲載業者の料金をもとに紹介しています。見積もりは2〜3社から取り、ごみの運搬を片付ける家の市町の許可業者が行うかどうかも比べましょう。
ごみの出し方や役所の窓口など、もっと細かい情報は、下の「広島県の市区町村から探す」から、お住まいの市区町村のページも見てください。