片付けを始める前に、区役所の「お悔やみ窓口」を使いましょう
遺品整理の途中で、保険証や年金の書類が必要になって探し直すことはよくあります。先に区役所の手続きの全体を把握しておくと、「捨ててはいけないもの」もはっきりします。
- 横浜市は、18区すべての区役所に「お悔やみ窓口」を設けています。故人とご家族の状況に合わせて、区役所で必要な手続きを調べ、申請書の作成を手伝い、回る窓口の一覧を作ってくれます。
- 予約制です。各区のウェブフォームか電話で申し込みます。死亡届を出してから2〜10開庁日後くらいを目安に、利用したい日の4開庁日前の16時までに予約します。
- 利用できるのは平日の4枠(9:00、10:30、13:30、15:00から各50分)です。故人が住民登録をしていた区の窓口を使います。
- 予約の前日か前々日に区から電話があり、当日の持ち物を教えてもらえます。
故人が市営住宅に住んでいた場合は、家族が住み続けるか退去するかで手続きが変わります。片付けの日程を決める前に、市営住宅を管理する横浜市住宅供給公社に確認しましょう。民間の賃貸住宅なら、管理会社や大家さんに明け渡しの期限と、残してよい設備を確認しておきます。
捨てる前に探しておきたいもの
次のものは、相続や区役所の手続きで必要になります。業者に頼む場合も、作業の前に家族で一度探しておくと安心です。
- 預金通帳・キャッシュカード・印鑑(銀行印・実印)
- 土地や建物の権利証(登記識別情報)、固定資産税の納税通知書
- 年金手帳・年金証書、健康保険証・介護保険証(区役所での返還に使います)
- 生命保険・火災保険の証券、借入れやローンの契約書
- 遺言書、エンディングノート、手紙や写真など家族にとって大切なもの
- スマートフォン・パソコン(ネット銀行や有料サービスの契約が分かることがあります)
貴重品や形見が「なくなった」を防ぐために
国民生活センターには、遺品整理業者に「処分しないでと頼んだ物を勝手に処分された」という相談が寄せられています。作業中に見つかった現金や貴金属がきちんと返ってくるか心配な方も多いはずです。次のように、渡す前と作業中の両方で備えておきましょう。
- 通帳・現金・貴金属・形見の品は、業者が入る前に家族で探して持ち出しておく
- 残す物と処分する物をはっきり分け、残す物には印を付けるか別の部屋にまとめる
- 作業中に見つかった現金・貴重品・書類をどう扱うか(その場で家族に渡す、箱にまとめて保管する等)を、見積書や契約書に書いてもらう
- 当日はできるだけ立ち会う。難しい場合は、作業前後の写真や、見つかった物の一覧をもらう約束をしておく
それでもトラブルになったときは、横浜市消費生活総合センター(045-845-6666)に相談できます。
相続放棄を考えているなら、処分を急がない
故人に借金があるなどで相続放棄を考えている場合、遺品を売ったり処分したりすると、相続を認めた(単純承認した)とみなされ、放棄できなくなるおそれがあります(民法第921条)。どこまで片付けてよいかは、先に専門家に相談してから決めましょう。
- 故人の最後の住所が横浜市内なら、18区のどこでも申述先は横浜家庭裁判所(本庁)です。
- 期限は、相続が始まったことを知った時から3か月以内です(民法第915条)。
- 神奈川県司法書士会の「相続・遺言ホットライン」(平日13:00〜16:00、無料・予約不要、電話番号は区によって異なります)や、神奈川県弁護士会の「遺言・相続お悩みダイヤル」で相談できます。横浜市はこれらの団体と協力して、空き家や相続の相談先を案内しています。
業者に頼むときは「横浜市の許可」を確認しましょう
横浜市は、遺品整理や家の片付けを業者に頼むときの注意点を、市のホームページで案内しています。ポイントは次のとおりです。
- 家庭から出た不用品を処分できるのは、市の一般廃棄物収集運搬業の許可を持つ業者です。遺品整理業者が許可を持っていない場合は、許可業者に処分を頼むことになります。許可業者は、横浜市の一般廃棄物処理業の許可業者一覧で確認できます。
- 遺品整理と処分の両方を、自社の許可でまとめて引き受けられる業者もあります。
- 家財を買い取るには、古物商の許可が必要です。買取をしてもらう場合は、許可の有無も確かめましょう。
- 無許可の業者が回収した不用品が不法投棄された例があります。チラシやネット広告で集客し、高額な料金を請求する無許可業者もいると市は注意を呼びかけています。
- 業者に頼む場合も、家庭ごみと同じように分別が必要です。
見積もりのときは、次の点を確認しておくと、後からの追加請求を防げます。
- ごみの運搬は自社の許可か、許可業者への委託か
- 見積もり後に料金が増えるのはどんな場合か(量の増加、階段作業、駐車場がない等)
- 買い取れる品物がある場合、見積もりから差し引くのか
- キャンセル料がかかる時期と金額
料金や契約で困ったときは、横浜市消費生活総合センター(045-845-6666)に相談できます。受付は平日9:00〜18:00、土・日曜9:00〜16:45です(祝日・年末年始は休み)。
遺品整理で出る大量のごみは、集積場所に出せません
遺品整理や引越しで一度に多く出るごみ(一時多量ごみ)は、いつもの集積場所には出せません。横浜市の許可業者に頼むか、自分で市の施設に持ち込みます。量が多い場合や、運び出しが難しい場合は、業者に頼むほうが現実的です。
自分で一部を処分する場合
家具などの一部を自分で持ち込めば、業者に頼む量を減らせます。横浜市では、ごみの種類によって持ち込み先と申込先が分かれています。
横浜市で家庭ごみを持ち込む方法
| ごみの種類 | 持ち込み先 | 申し込み | 料金 |
| 燃やすごみ | 市内4か所の焼却工場 | 区の資源循環局事務所に事前申込み。持ち込めるのは申込みから6日後以降 | 1kgあたり13円 |
| 燃えないごみ、スプレー缶、乾電池、プラスチック、缶・びん・ペットボトル、小さな金属類、古紙・古布 | 区の資源循環局事務所(センターリサイクル) | 燃えないごみ・古布・量が多い場合は事前に連絡 | 無料 |
| 粗大ごみ | 粗大ごみ自己搬入ヤード4か所(鶴見資源化センター〈鶴見区〉、長坂谷ストックヤード〈緑区〉、神明台ストックヤード〈泉区〉、栄ストックヤード〈栄区〉) | 粗大ごみ受付センターに事前申込み(電話・インターネット・チャット・LINE)。1日20個まで | 品目ごとの粗大ごみ処理手数料 |
- 粗大ごみ受付センターの電話は 0570-200-530 または 045-330-3953 です。自己搬入ヤードの受付は9:00〜12:00と13:00〜16:00で、日曜と年末年始は休みです。
- 粗大ごみの手数料は、申込み時に確認した金額を、市内の指定金融機関・郵便局・コンビニで払って収集シールを受け取ります(ヤードではシールを売っていません)。
- 持ち込めるのは、横浜市内の家庭から出たごみだけです。運転免許証などの確認がある場合があります。
市が収集しないものは、別に処分先を探します
次のものは、粗大ごみとして出せません。業者に頼む場合も、引き取れるか・追加料金がかかるかを事前に確認しましょう。
遺品整理で出やすい「市で収集しないもの」
| 品目 | 主な処分先 |
| エアコン・テレビ・冷蔵庫・冷凍庫・洗濯機・衣類乾燥機 | 家電リサイクル法に沿って処分(購入した店や許可業者に依頼する等) |
| パソコン | メーカー回収など、市のホームページで案内している方法で処分 |
| バイク | 市のホームページで案内している方法で処分 |
| 消火器 | 日本消火器工業会と地域の販売代理店などが回収 |
| アスベストを含むもの | 製造メーカー、または横浜市一般廃棄物許可業協同組合(045-662-2563)に相談 |
パソコンやスマートフォンは、処分の前にデータの消去を忘れずに。扱いが分からないものは、横浜市コールセンター(045-664-2525)で確認できます。
使えるものは、売る・譲る方法もあります
横浜市は、粗大ごみに出す前にリユースすることを勧めていて、次のような方法を案内しています。
- ジモティースポット横浜:井土ヶ谷店(南区)と中山店(都筑区)に、予約なしで持ち込めば無料で引き取ってもらえます。引き取りだけを行う「ジモティースポットミニ」もあります。
- セカンドストリート:不要品の買取。大型の家具・家電は出張買取もあります。
- ジモティー、おいくら?:地域で譲り先を探せる掲示板サイトと、複数店の買取価格を比べられるサービスです。
- イケア:イケアの家具は、店舗に持ち込むと状態に応じて買い取ってもらえます。
相続放棄を考えている場合は、売る前に上の「処分を急がない」を確認してください。なお、これらのサービスでのトラブルについて、市は責任を負わないとしています。
横浜市の費用の目安と、地元の業者
このページで紹介している業者のうち、横浜市内に拠点がある業者には「地元密着業者」のマークが付いています。横浜市は18区あって広いので、作業する家に近い業者だと、見積もりの下見や追加の作業に来てもらいやすくなります。費用の目安は、このすぐ下の「横浜市の遺品整理の費用とよくある質問」で、掲載業者の料金をもとに紹介しています。見積もりは2〜3社から取って比べましょう。
実家が空き家になる場合
片付けた後の家をどうするかも、早めに考えておきましょう。横浜市は専門家団体と協定を結び、空き家の相談窓口を案内しています(無料の窓口が多くあります)。
- 売る・貸す:神奈川県宅地建物取引業協会 不動産中央無料相談所(045-633-3035、平日10:00〜16:00)、全日本不動産協会 神奈川県本部横浜支部(045-321-8733、平日9:00〜17:00)
- 相続・遺言:神奈川県行政書士会 市民相談センター(045-228-8985、火・水・木13:00〜16:00、電話相談は無料)、神奈川県司法書士会の相続・遺言ホットライン
- 建物の修理・管理:横浜市建築士事務所協会 住まいの相談窓口(045-662-1337、火・木13:00〜16:00、無料・電話予約制)
- 解体の補助:耐震性が低い古い木造住宅や、倒壊のおそれがある空き家などを解体する場合、横浜市の「住宅除却補助制度」で最大50万円の補助を受けられることがあります(建築年などの条件あり。建築局 耐震事業担当 045-671-2943)。